たまに記録

備忘録です。興味のわいたことについて調べた内容を記録していきます。

視聴BL・ブロマンス(実写)

これまでにみた実写BL、ブロマンス作品(随時更新・備忘録)

山河令とチェリまほと陳情令は、私にとって別格の存在。

視聴済み

2014年

・どうしても触れたくない[JP]

2015年

・琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~[CN] 余韻が過ぎる。

2016年

不可抗力[CN]
・SOTUS[TH] 胸キュンの嵐💖 金字塔たる所以、ここにあり

2017年

・メソッド[KR] 圧巻。見るべき。
・LONG TIME NO SEE お二方とも良いお顔です。短い故に諸々の展開に難しさがあるよ。

2018年

おっさんずラブ[JP]
・HIStory2 是非〜ボクと教授[TW] 二人とも可愛い。
・SOTUS S[TH] KristSingtoの存在は唯一無二。二人の関係性は諸刃の剣になり得るのでは。
・My Baby Bright เพื่อนตายตลอดไป[TH]
・LOVE BY CHANCE[TH] Saint・・・💖かわいい・・・。

2019年

・劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜[JP]
きのう何食べた?[JP]
・陳情令[CN]
・Until We Meet Again~運命の赤い糸~[TH]
・TharnType/ターン×タイプ[TH]
・Theory of Love[TH] 最終話までずっとしんどい。11話最後の抱擁シーンにカタルシス

2020年

・30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい[JP]
・さんかく窓の外側は夜[JP]
・おじさんはカワイイものがお好き。[JP]
・リスタートはただいまのあとで[JP] 本当におすすめ。淡々とした中にある感情の機微。涙涙。
・Mr.ハート[KR]
・Manner of Death[TH] 重厚。
・BABY BRIGHT DESTINY CALLS[TH]
・WHY R U ?[TH]
・SaifahZon Story[TH]
・2gether[TH]
・LOVE BY CHANCE2/A Chance to Love[TH]
・I Told Sunset About You 〜僕の愛を君の心で訳して〜[TH] PP Krit・・・💖

2021年

・美しい彼[JP]
・消えた初恋[JP]
・絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男[JP]
山河令[CN]
・We Best Love 永遠の1位[TW] samYU・・・💖子閎・・・💖
・We Best Love 2位の反撃[TW]
・Be Loved in House 約・定〜I Do[TW]
・隔離が終わったら、会いませんか?[TW]
リュソンビの婚礼式[KR]
・君色に染められて[KR]
・ひかり男子高生徒会[KR] カン・ユソクくん・・・💖
・君の唇を噛みたい[KR]
・Behind Cut[KR]
・Bad Buddy Series[TH]
・A Tale of Thousand Stars[TH] Mixキャスティングの奇跡😭
・Fish Upon the Sky[TH]
・Don't Say No -心が近づくとき-[TH]
・I Promised You the Moon 〜僕の愛を君の心で訳して〜[TH]
・Lovely Writer The Series[TH] 目が離せないUpくんの魅力とそれを包む調和の説得力Kaoくん。
・Golden Blood[TH]
・Shining In My Eyes*1
・อย่างอนดิเพื่อน กูไม่อยากเสียฟอร์มง้อ*2[TH]
Half Life (Whole Mind)*3[The Story] [Official MV](NEW JIEW)[TH] これ最高・・・💖何回もリピ。

2022年

・チェリまほ THE MOVIE 〜30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~[JP]
・みなと商事コインランドリー[JP] 
・先生のおとりよせ[JP] 
・ケイ☓ヤク-あぶない相棒-[JP]
・目の毒すぎる職場のふたり[JP]
・不幸くんはキスするしかない![JP]
・先輩、断じて恋では![JP]
・オールドファッションカップケーキ[JP] 武田くん、雰囲気ある。
・飴色パラドックス[JP]
・永遠の昨日[JP]
・絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男 シーズン2[JP]
・男狐聊斎~狐の恩返し~[CN] 美しい映像。お話は唐突感があるな。
・正負之間~Plus & Minus[TW] 切なくて泣いた。主cpのケミがいい。かなり好き。お似合い。
・About Youth[TW] 可愛い男の子たちがごろごろ。
・冬すぎて桜[KR] カン・ヒくんが可愛い。オク・ジヌクくんは、FMでもなかなかドライ。
・Blueming〜君に染まる[KR]
・言って Please Tell Me So[KR]
ONCE AGAIN[KR] 
・新入社員[KR]
・フェンスの外はハッピーエンド[KR]  ジョンウくんの雰囲気好き。カラムくん、おめでとう。
・プンドク荘304号室の事情[KR] 「君の唇を~」よりは。最後の波乱前お付き合い期間の描写少。
Dear Doctor-死神が愛した医者-[TH]
LOVE STAGE!![TH]
・DOUBLE TROUBLE - SHORT FILM[TH]
VICE VERSA[TH]
・Cupid's Last Wish[TH]
・Magic of Zero Episode 'Zero Supporter'[TH]
・Never Let Me Go[TH]
・คาธ  The ECLIPSE[TH] Khaotungくんの含みのある演技には魅入られる。学校は社会の縮図。
・คุณชาย/To Sir, With Love[TH] ラコーンの定型を踏まえた上で鑑賞する。普遍的な愛を説いた物語。情緒の行き所がなくなる。

2023年

・僕らのミクロな終末[JP]
・僕らの食卓[JP] おとんと種くんがいい味出してるわ。お話もよい。
・全ラ飯[JP] 設定をもう少し生かし切れればよかったのにな。
・みなと商事コインランドリー2[JP]
ワンルームエンジェル[JP]
・体感予報[JP] キャスティングは成功の鍵。内容的にも、その割合は大きかったはず。
・君となら恋をしてみても[JP] 日向くんの雰囲気よき。役もいいし。↑↓友達3部作良いね。
君には届かない。[JP] 最高!原作からエピソードをうまくchoice。まんまとはめられ無限roop。
・佐原先生と土岐くん[JP]
・赤と白とロイヤルブルー[US]
・君の歌になる~ついてきてバラム~[KR] 二人とも可愛いが過ぎる。
・Moonlight Chicken[TH] じわじわと迫るメッセージ性😑
・My School President[TH] 私はTiwPorが好きだ。
・The Promise[TH] 一話目や前日譚のショートフィルムから号泣😭続編あり!?
・A Boss and a Babe[TH] 二人の関係性がとても良かった。設定とか気にしない。
・Be My Favorite[TH] 現代社会への問題提起の追加。ep10でのアセクシャルについての議論。
・Dangerous Romance[TH] やっぱりMarcPawinいいよね・・・。もちろんPerthChimonはよい。
・Laws of Attraction[TH] 萌える関係性。Filmくんの役の振り幅の広さ。
・Last Twilight[TH]
・Cherry Magic 30 ยังซิง[TH] なんて多幸感に溢れる物語😭優しい世界観はそのままに。タイ版最高!

2024年

おっさんずラブ-リターンズ- [JP] 続編の難しさ。より一層の「普遍的な愛」をコンセプトに。

 

視聴断念(力尽きた)もしくは視聴途中

・鎮魂
・双程
・カラーラッシュ
・高良くんと天城くん
・成化十四年~都に咲く秘密~
・窮鼠はチーズの夢を見る
・絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男2
・Cutie Pie
・Cutie Pie2
Peach of Time
ジャックフロスト
・君の視線が止まる先に
・美しい彼2
・好きやねんけどどうやろか
・BLドラマの主演になりました
・Still 2gether
・大叔的愛
・KinnPorsche The Series
・Love Syndrome 3
・Thai Mini Series OUR WINTER
・Close Friend
・Y-Destiny
・Tin Tem Jai The Series
・BITE ME The Series
・TharnType2 -7Years of Love-
・Tonhon Chonlathee
・Call It What You Want~BLドラマの作り方~
・The Miracle of Teddy Bear
・My Ride
・Step by Step
・Unforgotten Night
・4月の東京は…
・My Gear And Your Gown
・SHERRLOCK
・君子盟
HIStory 2 越界 ~君にアタック!
・Big Dragon The Series
・On Cloud Nine
・Star In My Mind
・Sky In Your Heart
・Love In The Air
・Hidden Agenda
・Cooking Clush
・The Sign 
・Bake Me Please
・2Moons2
・My Universe The Series
・Our Skyy
・Our Skyy2





*1:NadaoxOPPOChina

*2:NADAOxOPPO

*3:ครึ่งชีวิต (ทั้งจิตใจ)

ONCE AGAIN(韓国/2022年)

原題の「僕」は、ジフンだった・・・。

 

◆概要◆
[原題] 
  다시나를찾아와/また僕に会いに来て('22)
[制作] 
  Moving Pictures Company
  コンテンツ専門制作流通ブランド「アイドルロマンス」第6弾
[出演] 
  ムン・ジヨン・・・シン・ジェウ
  イ・ヒョンジュン・・・カン・ジフン
  カン・ウジョン・・・イ・ヒョンジョン
  カン・イェナ・・・考試院コシウォンおばさん
[プロデューサー]
  チョン・ウンヘ
[企画]
  ナイン・リー/ド・ジュンソン
[製作]
  キム・ヨンギュ Teddy Hwang
[原作・脚本]
  イ・シボ
[演出]
  Teddy Hwang
 
第1話から第8話まで、全話泣いた。
約30分×8話だから、気軽に見られるかと言ったら、そうではない。
最初から、一つの悲しい結末が分かった上で物語を辿ることになるので、ジェウとジフンの一つ一つのエピソードに、悲しさが透けて見える。そして感情は浮上することなく、運命の1月30日に近づいていく。
 
余分な登場人物、余分なエピソードは一切抜きで、物語の終わりまで一直線の物語。
タイムリープ*1ものには切なさが同居するから、私は題材にこの現象が含まれている物語が大好きだけれど、今回はこの現象が「運命の歯車を”変わらず”回し続ける」ために使われていた。

この使い方は、本当に切なすぎる。
「2人の3週間のために、僕の27年を捧げるよ」
この一言の愛の重さはいかばかりだろうか。

並行世界での2人の3週間を守るというジフンの選択。
そして、物語のラストは繰り返される15年後の3週間に繋がっていく。
 
15年後にもたらされたジフンからの手紙は、ジェウにとってジフンからの愛を伝えてくれることにはなるものの、救いとなり得たのだろうか。
この世界での2人は、どうあってもあの3週間でしかないのだから。

ジフンの親友、ヒョンジョンは、15年前も、現在でも物語を視聴する私にとって救いとなる存在だった。
そして、15年前の考試院おばさんは、ジェウとジフンに何を見ていたのだろう。

ジェウとジフン、2人の人柄が真っすぐで純粋で、そして究極の純愛だった。
でも2人の運命が悲しすぎて、私はしばらく浮上できそうにない。
短いながら、情緒に刺さる物語だった。
 
純愛とやるせなさ

 

 私的印象度

 ・純愛度・・・🌷🌷🌷
 ・喪失度・・・🌷🌷🌷
 ・必涙度・・・🌷🌷🌷

 

ところで、U-NEXTでは、翻訳が「お兄ちゃん」で「おじさん」ではないので、だいぶ印象が違うだろうと思われる。

*1:最近の使い方では、タイムトラベルと記したほうが正しいのかな?けれど、私はこの和製英語の語感が好き。

君には届かない。(日本/2023年)

エピソード同士の絶妙な配置と‘’かけた‘’配役の成功

 

◆概要◆
[制作] TBSスパークル製作委員会方式
     ドラマストリーム
[監督] 泉 正英  棚澤 孝義  林  雅貴
[PD] 阿部 愛沙美
[脚本] 開 真理
[原作] みか
[出演] ヤマト (大原 倭斗)・・・前田 拳太郎
     カケル (芦屋 架) ・・・柏木 悠 (超特急)
     藤野 孝介      ・・・田中 偉登
     保坂 唯       ・・・松本 怜生
     天宮 颯一郎     ・・・百瀬 拓実
     遠山 茜       ・・・中井 友望
     横内 柚弦      ・・・福嶌 崇人 (Hi-Fi Un!corn)
     ミコト (大原 実琴)・・・紺野 彩夏
     村セン          ・・・ 板倉 俊之(インパルス)

 

原作を愛読している私は、どのようなドラマになるのだろうとわくわく感を胸に放送を待っていた。
若手俳優の登竜門的な存在となっている日本のBLドラマではあるけれど、原作が存在するとき、原作の良さが見えない、また、演出をはじめとして、作品全体が残念な結果になっていることも少なからずあって*1、怖さも少し同居していた。

 

結果、現在、無限視聴ループに陥っている。

 

まず、この短い話数の上、約20分という短尺の中で、こんなにもうまくまとめてくださったかという感動。
原作の先生が監修されたとのことなので、納得ではあるのだけれど、原作から、必要なエピソードをうまく抽出して、各エピソードの主要なエッセンスをそれぞれの場面の演出や、セリフにしっかり表現する。
しかも、違和感なくまとめられていたので、驚きだった。
むしろ、間延び感を感じさせることがない分、より効果的であったかもしれない。(漫画であれば必要なシーンでも、映像にFASTな部分も求められる昨今であれば。)

また、ヤマトとカケルの子供のときのエピソードには、ヤマトがカケルを好きになる大事なきっかけがたくさん描かれていたから、ドラマにはいくつかの軽いエピソードしか採用できなかったのは、本当はとても勿体ない。(ヤマトの強火激重感情のルーツでもあるから。)
けれど、この尺のドラマでは割愛せざるを得なかっただろうし、もし挿入させていれば間延び感と不足感が同居することは避けられなかったであろうと思うから、エピソードの流れや感情の動きに齟齬が出ないよう構成されていたことに「勇気ある割愛だ」と感じた。

私が息を飲んだシーンに、ヤマトが橋の上で涙を流すシーンがある。

カケルが自分の自信のなさをヤマトにぶつけ、それを聞いたヤマトがカケルへの思いを吐露し、思わずカケルを押し倒す。そして我に返ったヤマトがその場から駆け出し、橋の上で涙を流す第6話のシーンだ。
自身の思いを伝えたい、分からせたい、その強い思いの奔流から行動を起こすものの、我に返り、とっさにその場から離れる。その後、橋の上で欲をはらんだ切な過ぎる恋情を大粒の涙とともに爆発させる。ヤマトがもつカケルへの強い恋情の発露の流れが私の感情を持っていってしまった。思わず一緒に泣いた。

このシーン、原作では駆け出すのはカケルだけれど、ドラマではヤマトが我に返って駆け出すのだ。私は、ドラマ版のこの構成に胸を掴まれてしまった。*2

制限が創造性を高める、とはよく言うが、このドラマはまさに、話数の短さといった制限をうまく工夫に変えられていると感じる。いくつかのエピソードを前後させながら、大胆にエピソードを割愛しつつも、重要な要素はミックスし、原作ファンにも違和感がないようにストーリーを構成させている。
私は、ドラマではヤマトは‘’痛みと切なさ‘’、カケルは‘’とまどいとひたむきさ‘’にフォーカスし、二人の関係性を描いていたように思う。よって、その焦点に合わないエピソードをうまく省いていったのではないか。結果、原作に比べて、ヤマトはより繊細に映り、カケルの子供っぽさは薄まっていた。

そして、ヤマトの痛いほどの切なさに焦点を当てるなら、このシーンで駆け出すのはヤマトでなければならない。
激しい恋情の発露は、切なさの最大の見せ場となる。
しびれる構成だ。

クリスマスデートで、カケルが告白した後のヤマトのセリフ「やっとつかまえた」
これも原作にはないものだが、この言葉のチョイスがにくい。
カケルへの、ヤマトの強すぎる愛と執着が垣間見え、むしろそこに狂気すら見えかねないこのセリフは、最終話に効いている。

長くなってきたのでいつかに続く
配役について文章化できていない。

 

*1:あくまで主観

*2:漫画ももちろんいい!原作あってこその改変だから。

不可抗力(中国/2016年)

苦しみと巡り合わせ

 

◆概要◆
[原題] 不可抗力之男仆的秘密*1
     不可抗力爱上你*2('16)
[制作] leofish(狮子鱼*3
     新片场*4 奇树有鱼*5 智顶互娱*6 
[出演] 孟瑞(モン・ルイ)・・・谢炎*7(シェ・イエン)
     王博文(ワン・ボーウェン)・・・舒念(シュー・ニエン)
     ホー・ヤーモン・・・ジャン・ヤオ 
     ジョウ・ジュンチャオ・・・クー・ルオ
     リー・ナ・・・シア・ジュン 

 

2部構成のネット映画。映画がヒットして、主演の二人の人気も爆発的に高まるものの、公開してから数週間で作品がネット上から消されてしまうという事態に。同ジャンルの作品が次々と消されていく中での出来事であり、ある程度の予想もなされていたようだが、関係者の無念さ、いかほどだったろうか。

この物語を見ていると、逃れられない執着という狂気、苦しみと巡り合わせ、人の業をまざまざと感じさせられる。

施設で、誰にも選んでもらえず、泣いてばかりいたシュー・ニエン。
そこに現れ、自分を選んでくれたシェ・イエン。
シュー・ニエンにとっては、初めて、「自分」という存在を必要である、価値があると認めてくれたのがシェ・イエンだった。
例え、横暴で、わがままで、ペットのような扱いを受けたとしても、やはり、選び認めてくれた事実、それだけで、シェ・イエンは、シュー・ニエンにとっては別格の存在となったのは想像に難くない。

そして、選び、選ばれたことは、不可抗力の巡り合わせであり、
その後、離れようとしても離れられなかったのも不可抗力なのだろう。

シュー・ニエンの養子という弱い立場と、シェ・イエンの元々持っている気性。
そして前半では、シュー・ニエンへの気持ちを認めたくないシェ・イエンの葛藤と混乱、後半では二人の関係に対する周りからのプレッシャーが、二人の運命を悲劇へと加速させていく。

シェ・イエンがシュー・ニエンへの愛を覚悟をもって自覚した後、ほんの少しの、幸せな時間を二人は過ごす。
けれども、その時間もすぐに終わりを告げることになる。

この巡り合わせは、二人にどれだけの苦しみを与えるのか。

シェ家を追い出されたシュー・ニエン。ただ、そこには、ニエン自らの意思も含まれていただろう。

シェ・イエンはシュー・ニエンを捜し続ける。
ニエンがイエンの婚約者に毒を盛ったのではないとわかったとき、母に言ったイエンの言葉と表情が刺さる。
「戻らないよ 彼は二度と 戻りはしない」 「母さん どうすればいい」

この物語には2種類のエンディングが存在する。
本エンディングは、最後、シュー・ニエンが亡くなってしまう。

一つ一つのエピソードを見ても、この物語の根底には、常に両極端に人を揺さぶるような血を伴った激しさが流れている。その激しさを踏襲するのならこの本エンディングとなるのだろう。


シェ家を追い出されたシュー・ニエンは、シェ・イエンから身を隠すため、正規の仕事に就けず、お金がなかった。
交通事故に遭って、治る可能性があったにもかかわらず、お金がなくて治療を受けられず亡くなってしまうのだ。
このような最期があっていいのだろうか。
この事実は、結ばれない以上の悲劇、絶望をイエンに与えただろう。

これら絶望の出来事を、執事が淡々と語り、物語は終焉に向かっていく。
「坊ちゃんが彼を捜さなければ彼は死ななかったかも
 もしくは彼が、もう少し我を通していたなら? 
 そうであれば自身の死によって坊ちゃんの希望を奪うこともなかったはず 
 2人は純粋すぎました」

この結末も不可抗力なのか。

シュー・ニエンがシェ・イエンと逃げるために、一晩中雨の中待ち続けたベンチで、今度はイエンが隣を空けて待ち続ける。
待てども決して訪れることのないニエンという存在を、イエンはこれからも待ち続けるのだ。

激しい感情と出来事の応酬に、視聴者は揺さぶられ、このトラジェディーが心に強烈な跡を残す。
それだけでなく、主演俳優二人の演技は真に迫り、とめどない感情の波に私たちを沈めてしまう。
この激しさを見事に体現して見せてくれた俳優二人の魅力は計り知れない。

ラストシーン後、抉られた胸に追い打ちをかけるように、制作側からのメッセージが迫ってくる。
ラストメッセージの重さといったらない。本当に。


アナザーエンディングは、この悲劇の物語に沈んだ私たちに一縷の救いを与えてくれるものだった。
決して完全なるハッピーエンドとまでは言えないが、本エンディングの後では、絶望の中の光であった。

 

・主題曲「梦」は主演の王博文の歌唱(作詞作曲も!)、「不可抗力」は孟瑞の歌唱。2曲とも情感たっぷりで美しい歌声。
・「污咚采访间」も鋭意視聴中だが、どうしても切なさがつきまとう・・・。


悲劇の行き着く先は

 

私的印象度

・悲劇度・・・🌷🌷🌷
・純愛度・・・🌷🌷🌷
・必涙度・・・🌷🌷🌷

 

ところで、一昨日は、CutiePieの東京ファンミーティングに配信で参加して、今日は大阪に参加する。6人は発光している。

*1:不可抗力の下僕の秘密

*2:不可抗力 君を愛している

*3:獅子魚

*4:新片場

*5:奇樹有魚

*6:智頂互娯

*7:謝炎

山河令 私的覚書⑧

第八話「光ある所に闇」

 

◆阿湘がことわざ◆
「有事钟无艳 无事夏迎春」「人を好き勝手にこき使って」
→「何かあるときだけ鍾武燕、何もなければ夏迎春」

戦国時代の斉の時代、宣王は性愛に溺れ、国事をおろそかにしていた。40歳になる鐘無艷という女性が、斉の宣王に身を挺して、国家の弱点を説明し、利害を説いた。王は彼女の助言を受け入れ、国を豊かにし、軍を強化するための政策を次々と打ち出し、鐘無艷を王妃に据えた。しかし、鐘無艷は非常に醜い女であった。妃といえども、宣王は彼女と寝たことがない。もう一人の妃、夏迎春は妖精のように美しく、王は彼女をとても気に入った。宣王は、国事があるときは鐘無艷のところに行き、国事がないときは夏迎春のところに行き、食べたり飲んだり、騒いだりしていた。

 

◆あからさまなハート◆
「また会お…」と言いかける阿絮。
しまった!
「你去哪儿我跟著你一起去」「どこへでも一緒に行く」
そう言う老温と阿絮の二人が映る画面には大きな赤いハート があった…。

その後も、ハートは前面でゆらゆら揺れている。

 

◆フェイスベール◆
顔を隠すフェイスベールの色は、お互いの服の色?
そう言われれば確かに。制作側の意図したものだろうか?

 

◆あからさまなハート2◆
天窗に囲まれる阿絮と老温(と韓英)はハートの中。

 

◆小大人と英儿◆

老温は、阿絮ばかりを見つめる韓英に向かって「小大人」呼び。英訳だと「Little Master」日本語だと「坊や」くらいの訳か?
老温の嫌味の表れだろうか。ちなみに韓英は22歳。
方や韓英は老温を「大人」と呼び、自分のことは荘主のご友人なら「韓英」とお呼びくださいと言っている。しかし、老温はやはり「小大人」呼び。阿絮との絆を見せつけられて、面白くない模様。
日本語字幕は「貴殿」なので、この場面は若干印象が変わりそうだ。

そして、阿絮は、韓英を英儿呼び。親しみがこもっている。
儿は年下の子につける愛称。ただ、この場面以後、英儿呼びは、配音で韓英になっていく。

 

◆妓楼◆
「大不了我以后也供你驱策 可好啊」「好啊 那就请你圆润地走远点」
「今後お前の役に立つやも 得したな」「そうか では速やかに席を外せ」
→「大不了我把下半輩子都卖给你 可好啊」「好啊 那就把你卖到青樓」
 「残りの人生をお前に売ってやるよ、いいだろう?」
 「いいね、じゃあお前を妓楼に売ろう」

 

山河令 私的覚書⑦

第七話「江湖の雑魚」

 

ツンデレ
「有道是顏如桃李 心如心如蛇蝎」 
「顔は桃や李のように艶美 心は蛇や蠍のように悪辣」
→「顏若桃李 心如蛇蝎」 『神鵰俠侶』金庸('59)

「李莫愁」を形容した言葉。江湖に名だたる悪女。「赤練仙子」の異名で恐れられる。恋人に捨てられた恨みから、世の中全ての男を憎むようになる。美女。

 

◆十八模 ◆
伝統的な中国の民謡。下品でエロチックな性質を持っているので清朝の時代には何度も禁止されている。
男性、女性、デュエットの種類がある。髪に触れるところから始まり、次にうなじ、その後、色々なところに触れていき、親密さを増していく。
女性バージョンでは、女性が男性に様々な場所に触れることを許しながら誘惑してみたり、男性バージョンの中には、女性が男性に触れることを許したときに、男性が何らかのご褒美を約束して誘惑したりするというものがある。
デュエットではお互い誘惑したり触ったりしながら歌う。
「そこで君に触れられない。もし触れたら、君は幸せで死ぬだろう」
「君の○○に手を触れて」で始まるフレーズ。本来は内容を少しずつ違えながら
十八回繰り返されるが中には十回や十六回のものもある。一応の形式はあるが、
囃子部分や曲調は一定しない。
時代が下ると「○○十八摸」として季節の花を詠みこんだもの、その土地の名物を詠みこんだもの、時事や事件を詠みこんだものなど様々なものが数多く生まれる。

 

◆顧湘という名前 顧湘=故乡gùxiāng
曹蔚寧の説明には「楚辞」と「湘夫人」が混ざっている。
「九嶷缤兮併迎 霊之来兮如雲」「九嶷の神々 居並び 雲のごとく霊 来る」
→「九嶷の山から、湘夫人を迎えにやって来て、神々が群がり来るさまは、あたかも雲のようだ」
『楚辞 九歌第二 湘夫人』 ※『楚辞』の代表詩人が屈原

老温「『湘夫人』と『洛神賦』を混同しては屈原が怒るぞ」
  
「飄飄兮若流風之飛雪」「流風に雪が舞うごとし」
※正しくは「飘飘兮若流风之回雪」 曹植『洛神賦』

湘夫人…『楚辞 九歌篇』に歌われる女神。湖南省にある湘水の神。また洞庭湖の水神でもあり湖中の君山にその祠廟がある。
堯帝の二人の娘、姉の娥皇と妹の女英はともに舜帝の妃となったが、舜帝が没した時、その後を追って湘水に身を投げて死に水神になったという。姉を湘君、妹を湘夫人と呼ぶ。また、湘君を男神、湘夫人を女神とし、二人を夫婦とする説もある。

 

◆イケメン ◆
「头先在街上 我见到一位秀的书生 他与我擦肩而过冲 我笑了笑 誰知道卿本佳人 奈何做賊呀」
「先日 整った顔立ちの書生に肩がぶつかり会釈された。まさか落ちぶれた盗っ人だったとはな」
→「通りで、イケメンの書生を見かけた。彼は肩がぶつかり私に微笑みかけた。美人が泥棒になるなんて誰がわかる」

方不知は、秀的でも、佳人でもないし、微笑みかけられてもいないのに、敢えてこのように言っている。方不知に盗ませた事実を、阿絮に薄々気づかれていることも踏まえながら、事実を、からかい混じりに、むしろ道化を気取って大げさに言っているのだろうか?(まさか、盗ませたことのごまかしで言っているのではないだろう)
そして、方不知に銭入れを盗まれた曹蔚寧に、密かに呆れる老温。

 

◆ただ者に改変◆
「我早就说过 他绝非凡品」「やはり ただ者ではなかった」
→「我早就说过 他必是美人」「言ったとおり 彼は美人だった」

姪っこちゃん

姪は3歳

姪は、お客さんが家に来たとき、知り合いに町で会ったとき

「いえばいいー」と言う。

誰と会っても「いえばいいー」

舌足らずなので、皆、あまり何を言っているか気にせず、ニコニコして「こんにちは」「お邪魔します」と返す。

 

先日、私が妹の家にお邪魔したとき、姪は、私のことも「いえばいいー」と言って迎えてくれた。

私も「何か言ってるなー」と思いながら、他の方々と同じように聞き流そうとしたが、

「ん・・・。待てよ・・・。いえばいいー?・・・いえ・ばい・いー?・・・」

「・・・葉白衣・・・!?!?」

 

妹に「姪っこちゃん、葉白衣って言ってる?」と返したら

「やっぱりお姉ちゃんは気付いたか。そうなの。最近、会う人会う人に『葉白衣』って話しかけるのよ」←本当は関西弁。

とのこと。

BS11で「山河令」が放送されると決まったとき、妹に必ず見るように申し伝えた結果、見事に妹と姪2人(3歳、5歳)がはまり、特に下の姪がその出演者のイケメンぶりに狂喜乱舞している話は聞いていたのだが。

 

その後、私が妹一家に新型コロナウィルスをうつしたため、お詫びに「山河令DVD-BOX1・2」をプレゼントした。

その結果、毎日吹き替え版を見るのが姪の日課になり、口癖が「いえばいいー」「らおうぇん」「あーしゅー」「あーしぁん」「ひよっこ」となった。

 

妹の家では姪と私で以下のループが繰り返された。

「あーしゅうはだれでしょう?」(姪)

「じょうじゅーしゅー!」(私)「せいかい!」(姪)

 

「うぇんこーしんはだれでしょう?」(姪)

「らおうぇん!」(私)「せいかい!」(姪)

 

「じょうじゅーしゅーは誰でしょう?」(私)

「らおうぇん!」(姪)「間違い!あーしゅーだよー」(私)

(姪はたまに間違う)

 

ちなみに姪は、

ひよっこ」は「じゃんちょんりん」のことだよ。

「いえばいいー」は「しろいようかいじじい」だよ。

と教えてくれた。

 

姪3歳は阿絮より老温のほうが好みだそうだ。

3歳児でも沼らせる山河令は本当にすごい作品で、姪と私は未だ山河令遭難中。

 

美麗な戦闘シーンと作り込まれた世界観は、本能に訴えかける大きな力をもっている。

山河令 私的覚書⑥

第六話「酔生夢死」

 

◆おんぶ◆ 
配音でセリフ変更
「娘背我 娘的蝴蝶骨最美了」娘→子舒

 

◆毒の処置◆ 
「和我逞什么英雄」 私の前で強がるな、英雄ぶるな
→「英雄救美不就这样吗」 英雄が美女を救うとこうなるのでは?

嫌味で返す
「我逞你奶奶的熊」
 江西省の方言「悪態をつく言葉 くそ!」
→「怕不是美人救英雄」
  英雄を救うのは美女じゃないのか

 

◆肩の毒の攻防◆

「你想干嘛」何をする
→「别动手动脚」手を出すな  

 

◆水の中の合成◆
水の中ではかつらが浮いてしまって、映りがよくないので、水の中での初めての素顔対面シーンは合成に。

 

◆父の名前◆

温厚なること玉の如し。

 

◆うさぎ置き去り◆
川辺で水かけする阿絮と老温。水かけに夢中になってしまい、うさぎを置き去りにしてしまう事件場面は、本国ではカット。

 

◆32話に繋がる◆

「你若不在了千山暮雪我孤翼只影向誰去呀?」
「もし、お前がいなくなったら、夜に雪積もる千の山を前に、孤独な私は誰に向かって飛べばいいのか」

→「お前がいなくなったら、私は寂しい片割れになる」


元好問が旅の途中で聞いた話。
雁狩りで、番の一羽を射ったら、もう一羽が鳴いて離れず殉死した。
元好問は番の亡骸を埋葬した墓を「雁丘」と名付け、彼らを悼んだ詩「雁丘辞」を詠む。
『摸魚兒·雁丘詞』
片割れを失った後、残りの人生にどんな意味があるのか。  

 

◆酔生夢死はおいくら◆

「我重金求購 你要什麼都行」
「お代は弾むぞ 好きな物と交換だ」
→「我重金求購 以身相許」
 「私は大金を払うよ、この身で払う、人生を捧げる」

 

◆幻覚の中で見えたのは◆
「我在幻境里面见到的是我小时候  在我妈被子里丢了只死老鼠  结果被她发现 追打我三条街」
「私が幻覚で見た光景だ。幼い頃、母の布団に死んだ鼠を放り込み、街中を追い回された」
→「我在幻境里面见到的是 和我的心上人洞房花烛 共赴巫山*1 陶然忘忧 不亦乐乎」
 「私が幻覚の中で見たのは、愛しい人と蝋燭の灯された閨で、我を忘れるほど快楽の限りを尽くしていた」
  
あの時「周子舒」と言っていたから、より意味深に聞こえる…。

 

◆花摘み◆

「那你采花*2不采」
「女たちも奪ったか?」

*1:性交の隠語

*2:采花・・・花を摘む、性交する、強姦する