たまに記録

備忘録です。興味のわいたことについて調べた内容を記録していきます。

山河令 私的覚書②

第2話「君子の義挙」

 

◆渡し舟で去っていく周子舒に温客行が贈った詩は◆
「ただ心安らかに渡れ 我自ら汝を迎えん」

桃葉復桃葉 渡江不用楫 但渡無所苦 我自迎接汝
(桃叶复桃叶 渡江不用楫 但渡无所苦 我自迎接汝)
王献之『情人桃葉歌』
王献之が渡し舟に乗るのを怖がる愛妾の桃葉に「川は渡らなくていいよ 心配しなくていい 僕が君を迎えに行くよ。」と詩を贈った。

 

◆「くそったれ」(河南方言)◆
「娘个腿的 老鳖孙」
阿絮は船頭の方言を真似して楽しんでいる。

 

◆「くそったれ」(2回目)◆
2回目の「くそったれ」はハンハンのアドリブ。

 

◆流雲九宮歩◆
「その足さばきは流風に雪が舞うかのようで、
薄雲に覆われたおぼろ月のように美しい」
「这歩法飘飘兮若流风之回雪 仿佛兮若轻云蔽月」

「髣彿兮若輕雲之蔽月 飄飄兮若流風之回雪」 曹植『洛神賦』
人間の男が神の女に求愛するも拒絶され、悲恋に終わる。
流雲九宮歩を表すため、温客行はあえて逆にして伝える。

 

◆花見酒に誘う◆
「花盛りに酒壺を抱え 酌み交わす者なし」
花間一壺酒 独酌無亲(花间一壶酒 独酌无相亲)
李白『月下獨酌 四首 其一』

 

◆掰彎◆
軟剣である白衣剣を曲げた温客行。
「掰彎他」
彼を曲げる。→彼を同性愛者にする。
台湾のドラマで本当にこのセリフが出てきて「なるほど」と。

 

◆周絮の名は◆
「交友は広く身は柳の絮のごとし」
而不比 身若飞

「子曰、君子而不比。小人比而不。」
孔子論語 為政第二14』

「平生不会相思 才会相思 便害相思 身似浮云 心如飞 气若游丝」
徐再思『折桂令 春情』(女の子の恋の病を詠っている)

 

◆周絮をほめます◆
「布衣の都、然諾を取予するのを重んじ、千里に義を誦え、死すとも世を顧みず」「而布衣之徒 设取予然诺 千里诵义 为死不顾世」

司馬遷史記 遊侠列伝 序』游侠列传序

 

◆焼き餅◆
焼き餅を重ね合わせるのは男色の隠喩。

曹雪芹『紅楼夢
金栄が塾の裏庭で逢引していた秦鐘と香憐の様子を皆の前で揶揄する。
「贴的好烧饼、你们都不买一个么?」
「よく焼けた餅はよくくっつく、君らも一つ買わないかい?」

紅楼夢』は清朝中期成立。当時は普通に男色を楽しむ時代。